生まれながらの政治屋: クルド人
繰り返しになってしまいますが、クルド人に関してトルコ(特に南東部)に行く方は知っておくべきことだと思うので私の知っていることを少しお話ししたいと思います。
ただ繊細な情報なだけに、数回に分けてそれぞれ異なる視点から、できる限り丁寧に説明しています。
そのため、そのうちどれかの記事を読む方はできるだけ他のクルドに関する記事も読んでいただければ幸いです。
前置きをするとクルド人に対する見解は様々あります。
必ずしも正確な情報ではないということを認識してください。
今回は私とクルド系トルコ人の友人との会話をもとにお伝えしたいと思います。
ハサンケフ(トルコ南東部の遺跡)、トルコ
《生まれながらにしての政治屋》
友人の言葉で印象に残ってる言葉があります。
トルコの人々が何かを話すとき、よく大きなリアクションをします。
トルコ語の方言も多岐に及んでおり、私には理解しがたいものもありますが、
このジェスチャーのおかげで、トピックスについては予測できることがあります。笑
それはクルド人も例外ではありません。
トルコ南東部のバトマン(クルド人が多く住む街)にいたある日、クルド人の友人達が集まって話をしてると、その空気感やジェスチャーからそれが政治の話であることを察しました。
向こうも私に気が付き、挨拶をしてきたので
「また、政治の話してるんでしょ? 好きだね。」 笑
と私が言うと友人の一人が私に向かってこう言いました。
「俺は自分自身は政治には無縁な人間だと思ってるよ。
でもクルド人として生まれたからには話さなきゃいけない時があるんだよ。
少なくとも、幾分かはね。ここにいる時には気が付かなかったけれども、
イスタンブールに行ってみて、自分が何者かがわかった。
そして、マイノリティーとして生きるということがどういうことなのかということが。。。」
と彼は言いました。
彼はトルコの南東部バトマンの出身、イスタンブール在住の学生です。
私が初めて彼に出会ったのはここバトマンの地で、当時彼は丁度高校を卒業し、大学のためにこれからトルコ最大の都市イスタンブールに移住し、大好きな英語の学習とイギリスの地を夢みる少年でした。そして、この時は学校の休暇中に帰省していた彼との2年ぶりの再会でした。
しかし、この時の彼の目は、2年前の純粋に夢を追いかける少年の目から現実の世界を他の視線からも見るようになった、少しさびしい目をしていました。
他を知り、己を知る。
それは口で言うほどたやすいことではないのかもしれません。
しかし、現実をしっかり受け止め、前を見つめる人々の姿勢に私はいつも感銘を受けています。