トルコから見たクルド

 

The truth is rarely pure and never simple.

           

 

 

                                                                         -Oscar Wilde

 

 

 

 

 

真実はほとんど純粋にならず、絶対に単純ではない。

 

 

                    -オスカー・ワイルド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

繰り返しになりますが、クルドに関してトルコ(特に南東部)や中東、ヨーロッパに行く方は知っておくべきことだと思うので、私の知っていることを少しお話しします。繊細な情報なだけに、数回に分けて、異なる視点からできる限り丁寧に説明していきたいと思います。

そのため、クルドに関するどれかの記事を読む方は可能であれば他のクルドに関する記事も読んでいただければ幸いです。

 

 


前置きをするとクルド人に対する見解は様々あります。
必ずしも正確な情報ではないということを認識してください。

 

 

さて、今まではクルド人の視点からと会話から見えてきた価値観を紹介してきました。

ここまでご覧になってくださった方からすると、トルコ(トルコ人)が一方的にクルド人を虐げているように感じたかもしれません。

 

しかし、事実は必ずしもそう単純ではありません。

 


そもそもトルコを含めその周辺国は民族の異なるクルド人を独立させないのでしょうか。

今回はトルコの人々の目線からお話しします。

 

 

 

 

クルドとして独立させない理由は主に2つ考えられます。

 

 


1. 石油

 

 一般的に言われている理由として、クルディスターン地域には石油が多く埋蔵されています。そのため、大きな利益のある地域を手放したくない理由だと言われています。
また、日経新聞によると、その地域に電力(エネルギー)が生まれることで、経済発展が期待されることから、日本の大手商社を始めとする世界の投資家たちが注目している地域である。 このことから、今後経済発展が見込まれ、トルコ国内の東西経済格差が解消することで現地住民の不満を解消しようとするトルコ政府の思惑が垣間見れます。

 

 

 


2. 多様な民族ありきのトルコ

 

トルコは100を超える民族から構成されています。お気づきでしょうか。私が以前からトルコに住む人々を言及するとき「トルコ人」とほとんど呼んでいません。彼らはトルコ国籍の保有者であって必ずしも「トルコ人」ではないのです。そんな彼らが、それぞれ独立を唱え始めたら、「トルコ」は成り立たなくたってしまう。といったトルコで一番の名門大学で法律を学ぶトルコ人の友人いました。

 

 

 


確かに、トルコという国を考える時多民族国家ということは切っても切り離せません。
一部が独立を成し遂げれば、他民族の独立の機運が高まる可能性も否定できないでしょう。


しかし、国を守るために、また人々の混乱を防ぐために、一部の人々が不条理を強いられることは正しいことなのでしょうか。
話合いで解決できる日が来ることを願ってや止みません。

 

 

 

 

クルド人もうひとつの中東問題 (集英社新書)

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