初めてドイツの強制収容所に足を踏み入れて
You don't know what is free.
You don't know the feelings, looking at a bird flying over a wall and asking myself why I can't do that, why?
- victim (former prisoner) of German consentration camp
君たちは本当の自由を知らない。
壁を超えていく鳥を見て、なぜ自分にはできないのかと繰り返し問う気持ちを君たちは知らない。
-ドイツの強制収容所の被害者(元囚人)
強制収容所の中の雰囲気やここで学んだことは数回に分けてお伝えします。
今回は強制収容所の塀の内側の屋外です。
ここへはナショナルソーシャリズムを学ぶためにザクセンハウゼンで開催された国際ワークキャンプに参加しにきました。
下記の記事でナショナルソーシャリズムや国際ワークキャンプに関して紹介しているので詳細はこちらでご覧いただければ幸いです。
ナショナルソーシャリズム
国際ワークキャンプ
さて、初めての強制収容所。。。
今でも少し緊張して向かったのを覚えています。
その日はしかもちょうど曇りで
気分まで塞ぎこむようなどんよりとした空気が一面に漂っていました。
強制収容所に入る門
ARBEIT MACHET FREI
— 働けば自由になる
と書かれています。
もちろんこの言葉が守られることはありませんでしたが。。。
私たち一行はここを抜け中へ入り
各所の説明を受けました。
ちなみに、ヨーロッパの多くの記念館や美術館がそうであるようにここも撮影OKです。
ただし、観光客の中には笑顔で楽しそうな写真をとる人達も中にはいますが、
世界共通でひんしゅくを買います。
ここがどんな場所であったのかを覚えておく必要があります。
例えばこの壁
ここを超えられない人々がどんな思いでこの壁を見上げたかは私の想像を絶します。
一つ参考までに、以前ここに収容されていたユダヤ人のAさんからお話しを伺った際に、印象に残った言葉があります。それが冒頭の言葉です。彼の話はまた改めて書くことにします。
私たちはいくつか並ぶ建物の中を見学し、そこであった話を簡単に3時間くらいでどういった情報をどこで手に入れられるのかという内容のオリエンテーションを受けました。
思っていた以上に殺風景な場所ではありますが、
この場所の意味を考えていたためか私を含め参加者全員のテンションは終始低いままでした。
そのテンションを誘導するように最初の曇り空も徐々に重厚なものになっていきました。
しかし、最後の建物から出てきたとき私たちを待っていたのは意外な光景でした。
ザクセンハウゼン強制収容所内、ドイツ
夏の5時前にも関わらず、厚い雲が空を遮っていましたが
その時、光が差し込んできたのです。
暗いですが左に建物があるのがわかりますか。
あれが、強制労働につかされていた人たちの宿舎です。
私たちは少しの間この光を黙って眺めていました。
現地の宿泊所についた後初日の感想をみんなで語りました。
この時何人ものメンバーがこの光について触れました。
「まるで、ここが特別な場所だってことを教えてくれるみたいだった。。。」
とある参加者が言いました。
ちょうど私もそんなふうに感じていました。
ただ暗い過去だけ見るのでなく、
そこであったことを忘れることなく
明るい世界を作ってくれよ。
とまるで背中を押されているようでした。