「歌舞伎町」の裏話

 
 
新しく「『日本のもの』を英語で紹介するブログ」を作りました。

こちらがそのブログ「SAKURA DROPS

s-mic.hatenadiary.jp

 

 

各記事の日本語訳を下に記載していますので、日本語で読みたい方はこちらをご覧ください。
各テーマをコラム調で、短くまとめてます。
今まで、外国人の友人に聞かれたものや紹介してきたものを題材に、日本人でもこれは知らなかったけど知ってたらちょっと得意になれるな、という情報を盛り込むようにしています。
外国人に日本のものを紹介する機会のある方、外国人が興味をもつ日本独特なものに興味のある方、日本のことをもっと知りたい方、の参考になれば嬉しいです。
 
 
そして、こちらのブログでは、そのうちのいくつか記事の裏話を紹介したいと思います。
 

 

さて、今回は「歌舞伎町」についてです。

 
 
ちょうど、今年に入ってから仲良くなった外国人の友人が歌舞伎町が大好きな人でした。
一方、私にとっては正直「好き」とは言えないけれども、魅力を感じる地域でした。
 
よくよく考えてみると、歌舞伎町は、夜に一人歩きする女性はまず声を掛けられる場所で、多くの女性にとってあまり好感を覚える場所ではなかったのです。
一方、男性にとっては、楽しい場所ではあるかもしれないですが、それでもそこは「純粋な気持ちで楽しむ」場所ではないように感じました。
にも関わらず、男女を問わず、多くの人達がそこに毎日引き寄せられ、魅了されます。
そして、今や外国人にとっては観光地の名所です。
でも、もう一度思い出してください、そこは「売春街」や「居酒屋」が立ち並ぶ地域です。
 
ある日思い出した「憎愛」という言葉は相反する言葉が組み合わされて成り立っている言葉です。
これは、日本語独特なものです。言葉はそれを使う人々が特別に意識していたものを何とか形に表そうとして、はじめて生まれるものです。
 
この言葉を生み出した日本人は、おそらくこの2つの相反する感情が強く結びついていることを知っていたのでしょう。
そう考えた時、思いはまた「歌舞伎町」へと引き戻されました。
あそこってこういう場所だな。。。と
 
「純粋なもの」例えば、思春期の手も繋げないような初恋や洗練された高級ホテルや貴族や持っていたような芸術品のような「美しさ」とは違うけれども、「不貞だが人を引きつける魅力のあるもの」例えば、いい歳になって落ちてしまった浮気な恋や綺麗とは言いがたいが面白い人の集まるドミトリー、路上に書かれた皮肉な落書きアートのような、一貫して誉めることは難しいけれども、「なんとなく」ではなく時に「はげしく」引きつけられるような場所ではないかと、思い始めたのです。
しかし、最後にはこうも思いました。
そういった、「完璧」ではないものや人に惹かれるのは同情や愛情ではなく、自分にも未熟な部分があるからなのではないかなと。。。
 
 

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Oh my gosh! I hate this place - 歌舞伎町 (Kabukicho).
It's infamous for its red light district and is one of the most dangerous places in Japan.
However this place full of desires fascinates many people and draws them in every day, every night.

 

The buzz, the harsh lighting, the vulgar places, the signs with brash color and provocative words...
Everything there looks cheap and tacky. Nothing there can be beautiful.
If someone raised in Kyoto or Paris where everything is organized, sophisticated
and beautiful saw it, they would be too shocked to say a word.
But I myself am sometimes strongly fascinated by these places where chaotic and disorganized, or to put it another way, these ugly and not posh places and they arouse my curiosity.
Though at the same time, I hate them in spite of this.

 

One day I remembered a word 憎愛 (zouai) which consists of the characters 憎 (hatred) and 愛 (love).
It shows literally the feelings of hatred combined with love .
It's because you love it, you hate it as well.
Perhaps the mixture of conflicting feelings deepen my attachment.
I feel the same thing for other places, persons and my country as well.

 

Well...at the end of the day, perhaps, it's just because I may not be that refined after all...

 

 

 

 

 

 

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あーもう、信じられない! 歌舞伎町って大っ嫌い。
風俗街や日本ではかなり危ないところ、として悪名高い場所。
そうは言っても、この欲望に満ちた場所は、毎日、毎晩、人々を引き寄せ、魅了する。

 

騒音、ギラギラした明かり、品の無い場所に、ドギツイ色と挑発的な言葉の看板…
どれをとっても安っぽくて、品がない。美しいものなんて一つも無い。

 

もしも、京都やパリのように、整い、洗練され、美しい場所で育った人が歌舞伎町を見たら、開いた口が塞がらないだろう。
しかし、時々私自身もこういった無秩序で雑多な場所、言い換えれば、気取らず、かっこ悪い場所に、強く興味をそそられてしまう。それが同時にとても不快なのにも関わらず。

 

ある日、「憎愛」という言葉を思い出した。
この言葉は「憎しみ」と「愛」という言葉から成り立つ。
文字通り、憎しみと愛が混ざり合う感情を表す。
愛するが故に、憎みもするのだ。
もしかしたら、この相反する感情の混じり合いが、愛着を深めるのかもしれない。
同じことを、他の場所、人や日本に対しても感じるのだから。

 

あー、もしかしたら、結局のところ私がそんなに洗練されていないせい、かもしれないけれども…

 

 

 

 

 

 

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