リアルすぎる、「自転しながら公転する」
-They: how do you want to be?
Me: I want to be happy.
You: it's ok not struggling to be happy all the time. Perhaps it's a good balance if you have a little bit of unhappiness.
- M
‐彼らは問う:どうなりたいの?
私は答える:幸せになりたい。
あなたは言う:常に幸せになろうともがかなくてもいいよ。ほんの少し不幸せな方が、もしかしたらちょうど良いバランスなのかもしれないよ。
‐M
少し心が軽くなる作品だった。30歳前半の女性と、50代くらいの母親の視点から描かれた作品。
現代にはびこる不安やいやいや無理でしょと言いたくなる現実に非常に寄り添っている。恋愛、結婚、出産、キャリア、介護と多くのしわ寄せがよってくる世代である。30代の女性からするとお気楽で華やかな20代から突き落とされる年頃だ。
筆者自身30歳近い女性だが、リアルすぎた。場所が茨城というのも良い。東京出身の筆者の経験からすると価値観が少し伝統的すぎるが、理解できる範囲だ。同世代の地方出身の話からすると更にすごい話しも耳にするから、テーマとしてちょうど良い場所なのだと思う。
主人公の30歳過ぎて新しくできた彼氏はとても良い人だが、経済的に豊かでなく、社会的地位も高くない。親の介護やキャリアの問題も重なり、華やかに家族や恋人との関係を気づいていく友人達が羨ましく思えてくる。みんなそれぞれ問題があり、もがいているのだが、ネガティブなことはあえて普段公言しないし、話しあったところで正解がある訳ではない。
それでも彼らの苦悩や選ぶ道を知ることで、少し心が軽くなる。そして楽しいテーマでは無いぶん、ユーモラスなトーンが心地よい。気づくとあっという間に読み終わってしまっていた。