4万円があったら何を買いますか?
ちょっといい服?バック?それとも…
フィリピンの話に戻ります。
現地でで聞いた話です。
実は英語力はそれなりある状態で行ったフィリピン留学。
文法や会話力は磨く所がないということで、
社会問題について先生と話合うことで
語彙力の強化を目指しました。
その中で一つの話が出てきました。
フィリピンには貧困問題があります。
これに関して、現地の先生と私の価値観の違いを感じました。
例えば、「盗み」と聞いたらあなたはどんなイメージを抱きますか?
私の場合は「社会悪」でした。
一方、先生の場合は「良いときもあるし、そうでない時もある」でした。
後から知ったのですが、フィリピンに限らず途上国ではこの考え方は、一般的な考え方の一つです。
実際、チリやコロンビア等の南米、アフリカ諸国出身の友人たちはこの意見に賛同(もしくは、理解できる)と言っていました。
それでも、日本で暮らしている人にとっては少し意外ですよね。
これはいったいどういうことでしょう??
私の視野の範囲には
「悪人がある人から、ある人の持っている(時に努力して手に入れた)資産を盗む」
という部分しか入っていません。
一方、先生の視点には、前者に加えて
「私腹を肥やし、富を分け与えない悪から、英雄が富を盗み、貧困にあえぐ人々に再分配する」
状況が含まれていました。
つまり、ロビンフットのような人が視野に入っていました。
現地の先生によると
「フィリピンでは時にビキニバー(ストリップバーのようなもの)で働く女性を英雄と呼ぶ」
のだそうです。
これは、自分の身を犠牲にしても、
家族を養ったり、大学に行く費用を得るために働いているからだそうです。
ですが、彼はこうも付け加えました。
「彼女たちは、ある意味運がいいんだよ。少なくとも見た目が良いってことだから。」
では容姿に恵まれない女性や男性はどうなるのでしょうか?
男性は運が良ければタクシードライバーになれるそう。
それ以外の「運のない、恵まれない人々」は
時に文字通り自分の「身体」を売るのだそうです。
たとえば、腎臓
たとえば、眼球のレンズ
これはフィリピンで社会問題になっているのだそう
これを聞いた私は動揺して
「えっ いくらで?」ととっさに聞きました
もちろん、闇市なので、相場はないでしょう。
それでも、先生は
腎臓は20,000ペソ(約40,000円)
眼球のレンズは4,000ペソ(約8,000円)
くらいではないかと予想していました。
あくまで、現地の人の予想値なので
鵜呑みにすべきではありません。
しかし、街の観光地を友人と歩いている際に
「片方の目が、何かおかしい人が多いね。
白内障とは違いそうだけど…」
と話ていたことを思い出し、ぞっとして、目を落としました。
その時、私の目に飛び込んできたのは
電子辞書!!
数か月前に買った電子辞書が約4万円であったことを思い出しました。
日本の大学生なら持っているであろう電子辞書。
それと同じくらいの値段で買えるかもしれない人間の臓器…
あくまで、予想とはいえ、
4万円は世界ではそれほど価値のある額なのです。
月収8,000円程度の人も多いフィリピンでは、4万円は私たちが感じる以上に大金なのかもしれません。
生まれた場所や環境の違いだけで、
買えるもの、買うものがこんなにも違うなんて…
複雑な気持ちになったことを、今でも鮮明に覚えています。