If a country doesn't recognize minority rights and human rights, including women's rights, you will not have the kind of stability and prosperity that is possible.
-Hillary Clinton
もし、ある国が少数派の権利、人権、女性の権利を含めて認識しないのであれば、可能であるはずの安定と繁栄を得ることができない。
ニヨン、スイス
世界は必ずしもフェアではありません。
マジョリティーとマイノリティー。
差別と区別。
残念ながら力関係は必ずついて回るのです。
日本ではあまり好まれない話題かもしれませんが、
海外では一般的にそれは通用しません。
私個人の見解に偏ってしまうこともあると思いますが、
それを認知したうえで、私が目の当たりにしてきた一つの事実をみなさんにも知って、少しでも考えて、できることならより良い世界になるように一歩踏み出すきっかけなればと思います。
クルド、クルド人という言葉を聞いたことがありますか。
馴染み無い方も多いと思いますが、トルコ(特に南東部)を含め東欧、中東にに行く方はぜひ知っておくべきことだと思います。また、ヨーロッパでも時折聞く内容ですので、記憶にとどめていただければ幸いです。
これは繊細な情報なだけに、これから数回に分けて、できる限り丁寧に説明していきたいと思います。
それぞれの記事を異なる視点で紹介します。そのため、そのうちどれかの記事を読む方はできるだけ他のクルドに関する記事も読んでいただければ嬉しいです。
まず、前置きをするとクルド人に対する見解は様々あります。
また、公の統計等も存在していないため、必ずしも正確な情報ではない(推定の情報)を含むということを認識してください。
<ブリタニカ国際大百科事典> によると
クルド人とは西アジアのクルディスターン地方に住む人々のことでクルド語を人々である。人口は1500万人以上と推定されているが、正確な統計はない。
としています。
ここからは <私の知っている情報>です。
まず今回は、 《クルド人の目線》 から
クルド人は独自の文化を持っています。
ブリタニカ国際大百科事典に記載されているクルディスターンとは国際的な視点では
現在「国」とは認められおらず「地域」であるとされています。
その地域は トルコ 、イラン、 イラク、 シリア 等にまたがる主に山岳地帯で明確な定義はありません。
クルドの人々は独自の言語や文化を持ち一般的に独立心が強いとされています。
●クルド語
地方によってかなり相違があります。
クルド人の友人によると、大きく3つの分類に分かれており、ぞれぞれの言語は全く違うものではないにしても、それぞれの方言の多くの部分が理解できないことが多いのだそうです。
また、使用される文字は地方によって ラテン文字・アラビア文字・キリル文字 と分かれています。そのため同じクルド人同士での口頭におけるコミュニケーションはとれても、読み書きに関してはさらに困難なのだそうです。多くは住む地域に依存しています。
音楽や結婚式の行い方(衣装を含め)も地域によって全く異なるのだそうです。
●トルコにおけるクルド人について
◎住居
住居クルド人が最も多く住むのはトルコ最大都市のイスタンブールです。しかし、クルド人の割合が多いのはトルコの南東部であるとされています。
◎独立の意識の高める理由は?
1・言葉の壁
トルコ国内では、公の学校ではクルド語での教育が認められていないため(NGOなどの教育機関はあるそうです。)、小学校に上がるまでクルド語で育った人も学校に入ってからは、トルコ語を覚える必要があるそうです。
そのため、トルコの南東部でも、トルコ語は基本的に通じます。さらに、クルド人の中にも、クルド語が話せない人は多くいます。(もちろん、クルド語のみ話す人も年配者を中心に少数ですがいるそうでうす。)
2・石油
いわゆるクルディスターンと呼ばれる地域は、石油の埋蔵されている地域であるため
実際に独立しても自分達でやっていけるのではないかとしている人たちもいるほどです。
3・経済的な格差
トルコでは地域における経済格差が大きいとされています。そのため、西側の特にイスタンブールを始めとする地域に人口が集中しています。80%近くの人口がイスタンブールに偏っています。
話を戻します。西と東の経済格差だけでなく東側の地域内でも格差が大きくあります。東側では、一握りの石油の恩恵にあずかれる人達とそうで無い人がいます。
こういった経済的な格差が不満を募らせる原因ではないかとも考えられます。
このようにクルドの人々はトルコの中でも違った文化や価値観を持っているため、
一般的に(ステレオタイプも含みますが)独立意識が高いと考えられています。
しかし、私個人の感想ですが、クルディスターンとして独立したいと考えている人が多いというよりは「トルコ人」として扱われることが嫌な人が多い印象を受けています。
トルコでは個人のIDが発行されているのですが、クルドのバックグラウンドの持っていても国籍がトルコになっていて、トルコ人として書かれているのだそうです。
彼らからすると、国籍はトルコでも「クルド人」という記載がほしい と多くの友人達は語ってくれました。
また、公の場でクルド語の使用や教育を認めるのなど、弾圧ではなく、守る姿勢が欲しいのだと考えている人々も多いようです。
ハサンケフ(トルコ南東部の遺跡)、トルコ
次回は
トルコにおけるこの独立心の強いとされる人々がどうして時に危険視されてしまうのことがあるのか。
そして、現地の人々はそれについてどう考えているのか。
私が感じたことについてお伝えしたいと思います。