2019年秋
-どんなに洗練された大人の中にも、外に出たくてしょうがない小さな子供がいる
-ウォルトディズニー
姫路城を初めて知ったのは幼稚園の時。当時の親友が親の都合で地方に引っ越した。その後、近場の旅行先として姫路城に行ったのだとか。結果長らく続いた年賀状の始まりは真っ白な姫路城を背景にその日のエピソードが記されていた。
私の母は東京出身で若くして専業主婦になったった。そんな背景もあってか、この便りを見た彼女は地方に友人がいること、あるいは地方に行ってもなお続く友情があることに感動したのか、日本の城になど普段まったく興味を示さないのに、姫路城についてまるでおとぎの国のプリンセス城のように語ったので子供心に強烈に焼き付いた。
しかし、このお城との初対面は思いがけない形で実現する。個人で請け負った仕事の出張で大勢のイタリア人とその他外国人を連れて行くことになる。察しの良い方はお気づきだろうが、終始ハチャメチャだった。私自身若く上手く立ち回れなかったこともあり、おとぎの世界に浸る余裕など一切なかった。ただ姫路城という名前に長らく忘れていた幼い記憶がよみがえった。これはオーストラリアで2年暮らし始める少し前のこと。
オーストラリアから日本に帰ってきて1度目の旅行でまた再会することになるとは思わなかった。少しくすぐったい気持ちになる。
天守閣には登らなかったが、改めて今回は綺麗なお城を落ち着いて観ることができた。沢山の人が今なお集うこの場所は、おとぎの国のお城では無くとも特別な場所なのかもしれない。
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