2020年秋
‐People will travel anywhere for good food. It’s crazy.
‐Rene Redzepi
‐美味しい食べものを求めて人はどこへでも行く。いかれてるよ。
‐レネ・レゼピ
名店、八昌についた時、時刻はすでに19時過ぎだった。あまりの長蛇の列に慌てて近くのトイレを探した。
外部リンク:八昌紹介ページ(ぐるなび)
r.gnavi.co.jp不安材料も消えたところで仕切り直して列に並ぶ。が、一向に前に進まない。私より後に並んだ人達は次々とリタイアしていった。時期に定員さんが最終組の看板を持ってきて気がつくとほぼ最後の組、ブービー賞であった。その後にも人はやって来ては残念そうに去るから本場のお好み焼き名店は恐ろしい。
お店に入る頃時刻はすでに22時前になっていた。中に入るとこれだけ待つ理由が分かった。コロナ対策のせいだったのだ。客同士が間隔を空けて座り、人数制限をかけていた。回転の悪さに納得だ。
オーソドックスなお好み焼きとカキ炒めを注文する。
まずカキの炒め物がサーブされた。かなりボリュームがありプリプリの身に感動する。辛過ぎない程度にコショウのシンプルな味付けがまた良い。
テレビなどで見たことはあったが、生地がとっても薄い。目の前で焼かれると感動する。
続いてお好み焼きがサーブされる。一口食べて本物の味と食感に感動。
この家庭の味とは大違いで、麺はしっかりしており、重た過ぎず、しかしボリューミーで甘めのソースが絡む。ドラマチックでお喋り好きの私は作って下さった鉄板カウンター越しの店員さんに「広島スタイルのお好み焼き初めて食べましたが、感動するほど美味しいです。」などと訴えたほどだ。
カキを頼んだこともあり、1枚のお好み焼きを食べきるのとが出来なかった。そこで持ち帰りにできるか聞くと、快く包んでくれた。
帰り際にお礼を言ってお店の外へ出ると、片付けをしていたベテランそうな店員さんから「大変お待たせしてすみませんでした。」と少しぶっきらぼうに謝られた。「とんでもない。遅い時間までありがとうございました。とても美味しかったです。」とこちらが言うと、店員さんは軽くお辞儀した。その時、口の両端が少し上がって見えたのは凄く印象的だった。きっとニューノーマルの中で苦労ものあるだろうが、どうか少しでも報われて欲しいと思った。
広島で出会ったミニお好み焼きの話