沖野水産の優しい気づかいと、よく火の通ったカキ【宮島・広島】

2020年秋 


 

‐人々はあなたの美徳によってあなたを罰し、あなたの過ちによってあなたを許す

 

ニーチェ

 

 

せっかくの広島なので宮島では何度もカキを買った。食べ歩きの話はまた別にまとめようと思うが、今回はそのうちの1軒のカキ直売店、沖野水産での話である。

 
カキを1つ頼んだ。カキのお店2軒目、その他にもカキの入っている料理をすでに食べていたので、1つで十分だった。
 
店員はおばちゃん1人。私はお店の外から持ち帰り用を注文したが、お店の中には大学生くらいの青年が3人で飲んでいた。
 
私が注文し、おばちゃんがカキを選定していると、お店の中から「ビールおかわり」と声がした。おばちゃんは急いで駆けつける。しばらくして戻ってくるとカキを2つお皿に乗せて渡された。1つは殻つきの身がプリプリなもの、もう1つはよく火を通したもの。「火をよく通したやつもこれはこれで美味しいけんね。」とおばちゃんは言う。
 
私はいつもどおり軽くお礼を言い、お金を支払い、食べる場所を探した。
 
海辺の良いところを見つけ食べ始めてからふと思う、そう言えば注文したのは1つだった...きっと、他のお客さんの対応でしばらく待たせたからサービスでくれたのだろう。お礼をしっかり伝えそびれてしまった。おばちゃんもっとアピールしてくれれば良いのに、と心の中で笑った。
 
海外から帰国し、仕事も含めて外国人や違うバックグラウンドの人たちの中で長らく暮らす私に曖昧な気遣いは通じにくくなっているようだった。すぐに気づけなくてごめんねと反省しつつ、しっかり焼かれて香ばしい濃厚なカキの意外な美味しさに感動した。
 
インターネットからでもここのカキは買える。カキ好きな人はごひいきに。
外部リンク:沖野水産のウェブサイト

www.okino-suisan.com

 

沖野水産で頂いたカキ

 

 

 

ここでも食べました広島のカキ。お好み焼き屋さんにて。

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