嬉しい発見と穏やかな時間を豊国神社で【宮島・広島】
2020年秋
‐芸術は一種の虚偽である。私はもはや美しい虚偽を愛しえない。
景勝地の弥山は帰りの新幹線の都合上観に行かれないと憧れのうどんを食べながら知ることになった。お店の人から往復の時間を聞くとあまりにギリギリ過ぎたのだ。下調べをしなからこういうことになる、と珍しく反省。
しかし、代わりに良い出会いもあった。時間が出来たので島を散策。五重塔が見えたから行ってみた。近づくとアイコニックな五重塔の隣に古い建物があった。この建物は豊臣秀吉が建立を試みた豊国神社(ほうこくじんじゃ、通称は千畳閣:せんじょうかく)だった。調べてみると豊国神社と五重塔は両方とも国重要文化財でもあった。
豊国神社は色が地味なので写真で見ると飾り気がないが、実際に見ると細部が独特で美しい。この時はちょうど紅葉の時期で銀杏の木葉がまっ黄色に染まっていた。建物の深い茶色とのコントラストがあまりにも美しすぎて、その場でしばらく休むことにした。
思い通りにはいかないなかで思いがけず嬉しい発見をし、穏やかな時間を過ごせるのも旅の良いところではなかろうか。
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