地中の都
いきなりですが、今回はお気に入りの場所:トルコのカッパドキアについてお話ししたいと思います。
カッパドキア:朝焼けの様子
カッパドキアといえば、柔らかい岩石を利用して作られた住居が有名です。
カッパドキア:岩を削った住居
ですが、実はそれだけではありません!!
地中の都も有名なんです!!
今回はこの地下都市についてお話ししたいと思います。
写真は暗すぎていいものがないため、控えさせていただきます。
ごめんなさい :(
3世紀半ばにローマ帝国の弾圧を逃れたキリスト教の修道士たちが、カッパドキアに移り住みました。
彼らは柔らかい岩をくり抜いて住居や教会を作りました。
実際に行ってみると分かりますが、カッパドキアの岩は手でも削れます。
蛇足ですが、そのため常に浸食されて一年に数ミリずつ削れているそうです。ガイドさんはこのことを、「二度と同じでは景色」と表現していました。
12世紀に作られた洞窟教会には、光がささないため、場所によってはフレスコ画が綺麗に保存されています。
キリスト教徒はペルシャやイスラムの勢力に包囲され、絶えず脅威にさらされました。
そのため敵から一時的に身を隠す場所を地下に求めました。
発見された地下都市のなかには、地下8階、深さ65メートルに及ぶものもあります。
地下1階のワイン製造所、地下2階の食堂、居間、寝室、収容人数に合わせて自由に掘り進められました。
また、敵から身を守るための工夫も多くされています。
例えば、通路はとても狭いものです。
私のように身長が140cm程しかないものでさえ通るのにギリギリの高さの場所もありました。
もちろん、横幅も人がすれ違える程広い道ばかりではありません。
そのため、大半の大人は身をかがめて長く暗い通路を通るしかありません。
みなさんの中には、トルコに住んでいた昔の人も日本のそれと同じように平均身長が低かったのではないか?と考える人もいるでしょう。
しかし、残念ながら答えはNOです。
トルコでは昔の人の方が体が大きかったと言われています。
また、背の高さだけでなく、鍛え上げられた肉体も体を横に大きくする要因でもあります
その彼らが、(敵ともなれば)甲冑をつけて侵入してくるわけですから、侵略が容易ではないことが伺えると思います。
一方で、現在ではムズリムの多いトルコですが、ここでは当時のキリスト教徒らしさもまた伺えます。
最下層の空間は十字架の形に掘られた教会になっています。
カッパドキアのキリスト教徒たちは、地下都市の一番底に、神への祈りの場を設けたそうです。
このカッパドキア周辺では現在でも、他の地域と比較して多くのキリスト教信者が実際に見受けられます。
この遺跡は見て美しさに感動する類いのものではないかもしれません。
しかし、土地の歴史に触れるのも旅の醍醐味となって良い発見ができたと感じました。
ギョレメ、カッパドキア